GISデータはどのように作られるか

2019.03.06

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当社は、GIS(地理情報システム)を用いたマーケティング支援を行っています。GISの歴史は「地図をどう活用するか」という長い歴史の延長ですが、多くの人は意識せずに生活しているのではないでしょうか?地図にさまざまなデータを重ね合わせて分析するシステムであるGIS。たとえば車のカーナビは「スムーズに目的地に到着する方法を分析する」形でGISを活用している身近な例です。

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地図のエリア分け方法

地図上にデータを表示するには、地図をエリア分けする必要があります。最も大きな単位は都道府県。天気や降雨量で色分けされた日本地図は、天気予報でおなじみです。さらに市区町村、町大字、丁目とデータを区切る単位は小さくなっていきます。日本の動静を俯瞰して見たい場合には市区町村ごとのエリア分けを使います。この際、統計の数値が大きくなる政令指定都市はさらに区ごとに分けられ、市区町村数に20ある政令指定都市の188区を加えた1892エリア(2019年3月時点)のデータで比較します。エリアマーケティングの軸にするならば町丁目単位など、目的に合わせたデータを使うことで、より正確な分析をすることが可能になるのです。

また、エリア別データと違って面積がほぼ同じなため、山間部など町丁目の面積が大きい地域や河川・湖沼を含む地域などの分析に向いています。さらに当社では独自に100mメッシュ推計データを制作・販売しており、狭小商圏分析においてより精度の高い分析を行うことが可能です。

地図にデータを重ねると「気づき」がある

実際に地図に重ねられるのはどのようなデータなのでしょうか。主に国が調査・発表を行っている市区町村別の統計を利用して、たとえば国勢調査から平均寿命ランキングを作ることができます。

男女 平均寿命

さらに、当社が総務省の調査を基に地域ごとの所得水準の高さを指標化した「個人所得指標」を使うと、全国の所得の傾向を一望できるようになります。

所得指標ランク

港区をはじめとする首都部に上位エリアが集中する、予想どおりの地図ですが、一方で首都圏から離れた場所にある「赤」が目立ちます。たとえば、北海道の猿払村はホタテの水揚げ量日本一であること、東京都小笠原村は世界自然遺産を訪れる豪華客船のクルーズ客などが要因と思われます。このように地図上のデータを色分けしてみることで、膨大な数の都道府県をランキングにしただけでは気づくことのできない、地域内の例外や傾向を見つけることができるのです。

さらに精度の高い情報を得るために

データで塗り分けた地図で得た気づきは、さらに別のデータを使って分析しなければビジネスに活用することはできません。先ほど全国を1892エリアに分けましたが、これらのエリア内には39,162,132棟(2016年ゼンリン住宅地図より)の建物があり、戸建てやマンションなどに分けられます。GISを活用することで各エリアの人口や人物像、周辺の建物や店舗売り上げなどあらゆるデータを管理し、エリア特性を分析したマーケティング戦略を立てることができるのです。

今回の記事で使用したデータ

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