出店戦略計画にGISを活用するタイミングはどんな時?~使用されるデータ数とGIS活用の意義~

2019.04.17

事業が流れに乗り規模が拡大してきたとき、経営者は新たな課題に直面します。それが出店戦略です。大手のチェーンともなれば、自社で商圏を分析して効率的な出店戦略を打ち出すことができますが、成長中の企業はどうすれば良いのでしょうか。当社のコンサルタントによれば、業種・業態や展開するエリアや商圏範囲で違いはありますが、おおよそ30店舗目以降に、GIS活用のタイミングが来る企業が多いと言えます。

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競合店が0件のエリアを抽出
黄色のエリアから商圏1kmを作成し競合店や統計データを集計
出店候補地・出店余地数の可視化

実勢商圏の把握、競合店の配置状況、商圏の量と質などによる複数の条件によって余地数を算出し、地図上に可視化する

※ インタビューやディスカッションを重ねる中で、仮説と検証を繰り返し、パラメータや基準を設定していく

※ 画像はイメージです。

GISを活用したいタイミング

成長中の新業態などでは特に、30店程度までの出店は順調に進みます。この規模の場合、まだ空白エリアを発見しやすく、他店の真似をしながら流行に乗っていればうまくいくためです。このフェーズでは、不動産会社からの薦めに従い物件ありきの出店をしていても一定の成果が見込まれます。しかし、組織が大きくなり30〜100店舗を出店するタイミングで、自社・他社共に商圏が重なり始め、伸び悩む時期が訪れます。こんなとき、GISを利用することによって効率的に停滞を脱することが可能になります。たとえば、以下のような状況で悩んでいる場合が当てはまります。

  • 事業の成長が鈍ってきた。
  • 競合他社が横並びで抜け出せない。
  • 社内に出店戦略を立案できる人間が限られている。
  • 組織が拡大し、出店のために上層部を説得する材料が必要。
  • これまでに成功した出店を分析して再現性を得たい。

このような悩みをもっている場合、GISの活用が助けになるはずです。そして当社ではエリアマーケティングをアウトソーシングすることをお勧めしています。それは、余剰な人員やソフトウエアを持たず、外部の専門的なリソースを活用することで、事業をより合理化するためです。

GISで活用されるデータの数々

GISはどのように役立つのでしょうか。当社では商圏のボリューム、質、位置関係、店の構造のデータから、それまでの出店戦略の成功と失敗を分析します。要因分析後は似た属性をもった有益なエリアや、空白になっている得意エリアを見つけます。客数や売り上げといったPOSデータがある場合は、より詳細な属性分析を行うことができるでしょう。
このとき、当社が保有する多くのデータから、必要なデータを取捨選択して活用します。以下にデータの一例を紹介します。

たとえば年収・貯蓄は、高付加価値の商品やサービスと提供する業種・業態、住宅の建て方は、ガスなどのインフラ系の顧客やデリバリーサービスにおいて重要な情報です。必要以上のデータや類似したデータは使用しませんが、ここで紹介したのは全体のほんの一部であり、業種・業態によって対象は変わります。

さらに最近、面白いものでは住宅の築年数データや、携帯電話のGPSを使ったオフィス周辺の動態データ、道路から撮影された車の画像を基にした地域分析など、新しいデータが日々増え続けています。これら全てを企業内の一部署で完璧に把握し活用することは難しいと言わざるを得ません。

GISのアウトソーシングで役割を明確に

必要な情報を判断し、地図上に展開して分析する技術習得にリソースを割くよりも、エリアマーケティングをアウトソーシングすることで、その分の人員と時間を本来の業務、販売戦略や開発に費やすことができます。役割を明確にして事業を合理化することこそが、企業の成長を後押しするのではないでしょうか。私達ゼンリンマーケティングソリューションズはGISシステムの売り切り型ではなく、エリアマーケティングのノウハウを活用して企業様のゴールまで共に走る会社です。GISが必要なタイミングを感じた際には当社にご相談されることをお勧めします。コンサルティングやアウトソーシングについてはこちらまで。

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