日本に住む外国人はいったい何人?~ますます増加する外国人への傾向と対策にもGISが有効~

2019.05.17

最近、身のまわりで外国人を見かけることが増えたと思いませんか?観光地ばかりでなく、暮らしに密着したシーンで、外国の方と接する機会が多くあります。日本で生活する外国人は、どれくらいの数になるのでしょうか。総務省の人口動態調査結果から、紐解いていきましょう。

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約250万人の外国人が隣人として

2018年度の総務省の人口動態調査結果(『住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数のポイント』)では、日本に住む外国人の数が約250万人。過去最多を更新しました。この調査によると、2018年1月1日時点で、全国に249万7000人を超える外国人が暮らしています。前年比約17万4000人の増加で過去最多となったのです。特に20代は74万8000人となり、同年代の総人口の5.8%を占めています。この数字、少し驚きませんか?

東京では20代の10%が外国人

さらに、これを東京都に限定すると、なんと、20代の10人に1人が外国人という結果でした。ちなみに、新宿区では20代の日本人は5年前に比べて7%減少、しかし外国人は48%も増加しています。また、今回の総務省の調査では、長崎県を除く46都道府県で外国人が増えていました。日本に住む外国人が約250万人という数字は、名古屋市の人口231万9000人を上回るもので、私たちが気づかない間に、日本における“移民化”は進行しているようです。

外国人が労働力の担い手に

さて、飲食店やコンビニなどで、外国人の店員さんをよく見かけるようになってきました。たとえば、全国のセブンイレブン・ジャパンで働く外国人は、全従業員の7%、約3万5000人にのぼります。
全国で外国人の増加率が最も高かったのは北海道夕張市で、同市が注力する観光客誘致の施設で働く従業員は、外国人に頼っているということです。また、人口に占める外国人比率が最も高かったのは、同じく北海道の占冠村。この村には欧米人に人気のスキーリゾートがあり、スキーインストラクターや接客係として多くの外国人従業員が活躍しているようです。

参考:2018-7-11 日本経済新聞オンライン「外国人最多の249万人、東京は20代の1割 人口動態調査」

国勢調査の結果から見えるもの

では、実際には、どれくらいの外国人が日本で仕事に就いているのでしょうか。厚生労働省の『外国人雇用状況』によると、日本で働く外国人は17年10月時点で約128万人。その内3割が中国人でした。以前は南米から来日する外国人が多かったのですが、今ではベトナムやネパールなど、アジア出身者が増えています。特に製造業の労働力不足が深刻な企業では、積極的にアジア系の外国人を採用しているようです。

日本に住む年齢別外国人構成比

日本に住む年齢別外国人構成比

20代が全体の約4分の1を超え、30代、40代を加えると全体の64.5%を占めています。

都道府県別では、外国人は東名阪に集中

では、都道府県別に見てみましょう。総人口における外国人の割合と20代人口と比べた20代外国人比率を地図で表示してみました。一目瞭然、東名阪に集中していることがわかります。東京(6.4)を筆頭に、2位岐阜(5.0)、3位群馬、愛知、三重(4.7)、次いで広島(4.1)と続き、これは第二次産業に従事していることを示していると考えられます。

注:今回、使用した統計は国勢調査、人口動態調査、外国人雇用状況と調査が異なるため数値は一致していません。

総人口に占める外国人比率

総人口に占める外国人比率

20代に占める外国人割合

20代に占める外国人割合

GISの分析で外国人を解き明かす

労働力の不足、人口減などを理由に、今後ますます日本を居住のベースとする外国人が増えるものと予測されています。日本における外国人の動向や傾向を把握することは、これから拡大する外国人市場を検証するうえで、大きな力となるはずです。彼らはどのように暮らし、何を求めているのか。それを解き明かすためには、GISのデータ分析が、有効な手段となるでしょう。
日本に常住している者すべて(外国人含む)を対象にした統計データ(国勢調査)はこちらでご提供しています。

今回の記事で紹介したデータ

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