街の未来を予測する!高精度な未来統計の作り方

2019.07.11

もしあなたが新しく店を始めようと思ったら、店舗の場所を決めなければいけません。新規出店計画を立てるとき、知りたいのは将来的な地域の人口予測です。ターゲット人口が増加する場所を探したい…、そんなときに役立つのが、当社が提供する「未来統計」です。未来統計は、2045年までの人口推移を町丁単位で予測しています。では、どうやって未来の人口を導き出しているのでしょうか。

※ 「未来統計」は株式会社楽しいチリビジが企画制作する製品です。

画像イメージ

国による数々の統計資料、そのままでは使えない

人口に関する統計は国が発表し、さまざまな機関で活用されています。当社でも現在の情報を知るため、5年ごとに全国の人口や産業構造などを集計した『国勢調査』を活用しますが、最新版は2015年のもの。新規出店するならば、実際に店が稼働しだすであろう2年後3年後のことを判断するには物足りない資料です。国立社会保障・人口問題研究所が市町村単位で将来推計人口を発表していますが、一つの店の商圏を考えると市町村では範囲が広すぎます。地図マーケティングで活用できる狭い範囲のデータ、町丁単位の将来人口は、国勢調査を基にあらためて推計しなければなりません。

人口に影響する情報を見極め、信頼性の高いデータを作る

国が公開している年齢ごとの死亡リスクや合計特殊出生率を用い、コーホート法という手法を用いて国勢調査の数値から推計していきます。つまり、町丁の現在の人口に「人口の増え方」と「人口の減り方」を反映していけば未来の人口がわかるだろうという考え方です。しかし、生まれて亡くなっていくということだけが人口を左右するわけではありません。人は生活の拠点を移しながら生きています。誰がどこからどこに、何人引っ越すかということは統計資料だけでは予測できない、人口推移に大きく影響するファクターなのです。

人口密度 2015年・2020年・2045年

たとえば晴海、豊洲周辺は、東京オリンピックの開催に向けて選手村などの施設が作られていますが、オリンピック後の跡地にマンションが建てば人口が一気に増加します。マンションの分譲情報や区画整理事業の届け出から大きな人口変化の要因を収集し、手作業で入力することでマーケティングに役立つ予測を立てることができます。もちろん引っ越してくる人たちの分、他の地域から人口を減らすこともトライ&エラーで調節しています。

未来統計の活用で気づけるチャンス

これまでは過去のデータを見ながら考えるしかなかったマーケティング戦略を、根拠ある将来の数字を基に立てられるのは大きなメリットです。しかし今は人口減の時代。未来予測で見ても東京などを除きほとんどの地域で人は減り続けています。では、店を出すなら都心部しかないのかと言えば、そんなことはないかもしれません。見た目の人口だけでは気付くことのできないチャンスに未来統計で気付くことが可能です。たとえばヘルスケア関連など、高齢者をターゲットとしたビジネスを始めるのであれば、重要なのは高齢者の人口です。全体の人口が減っていても高齢者が増加していく地域をライバルよりも先に見つけられれば大きなチャンスが生まれます。もし塾を作るならば子どもの人口の推移に注目することも、もちろん可能です。
日々、出店候補地を絞り込む際や詳細な計画を立てる際に役立っている未来統計は、さまざまな事実に基づくデータと、より正確な未来を予測しようとする細かい工夫によって作られています。そして更に精度を高め使いやすくなるよう、日々改良が試みられているのです。

今回の記事で紹介したデータ

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