全国学力・学習状況調査結果発表(令和3年度)
石川県が小学生、中学生ともに全国1位!

GIS専門誌に掲載していた記事が公開できることとなりました。
過去を振り返ることにより、現在のヒントになることは意外と多いものです。
ご興味のある方は、ぜひご覧ください。

※ この記事は、2022年1月にGIS専門誌へ掲載された内容です。

表:都道府県別公立小中校の国語・算数(数学)の平均正答率

表:都道府県別公立小中校の国語・算数(数学)の平均正答率

文部科学省が公立学校の小学6年生と中学3年生を対象に毎年行っている全国学力・学習状況調査(以下、全国学力テストという)が2年ぶりに(昨年は新型コロナ感染症の影響で中止)実施され、その結果が発表された。

全国の小学6年児童と中学3年生生徒計約194万人を対象

今回の学力テストでは全国の小学6年生と中学3年生の計約194万人を対象に、国語と算数(中学は数学)の教科に関する調査と質問紙調査を実施した。

ちなみに集計対象となった児童生徒数と学校数は、小学校が1万9038 校(児童106万371人)、中学校が9680校(生徒109万2580人)である。

各都道府県の公立学校の平均正答率

公立の小学6年生の国語と算数の全国平均正答率は国語が64.7%、算数が70.2%、同じく中学3年生の正答率は国語が64.6%、数学が57.2%となっている。数学における中学生の落ち込みが気になるところである。

これを都道府県別に見ると意外なことに気付く。一般的に都会は高く、地方は低いという先入観があると思うが、実際はそうではない。首都圏では、さすがに東京は小中ともに上位だが、周辺の神奈川や千葉、埼玉などはさほど高くない。また、近畿圏では京都が健闘しているが、大阪、兵庫は平均をやや下回る状況である。

特筆すべきは、石川で両科目において小学6年生、中学3年生がともに全国1位であることである。県の教育方針が如何なるものかは知るに至っていないが、教育熱心県であることは間違いないと思う。さらに、同県における小中卒業生のその後の高校、大学への進学状況にも注視したい(表)。

表:都道府県別公立小中校の国語・算数(数学)の平均正答率

表:都道府県別公立小中校の国語・算数(数学)の平均正答率

都道府県別正答率マップ

今回の学力テストの正答率をマップで見てみよう。例えば、小学6年生の国語の正答率ランキングを見ると、1位は石川と秋田の71%、3位が福井と青森の69%、5位は東京と京都の68%である(緑の濃淡表示)。東北と北陸に濃い緑を見ることができる(図1・2)。

同様に、中学3年生の数学で見ると1位はまたも石川で63%、2位は福井の61%、3位は秋田と東京の60%、5位は富山、岐阜、静岡の59%となっている(赤の濃淡表示)。こちらは北陸と東海、中部に濃い赤を見ることができる(図3・4)。

図1:都道府県別 小学6年生 国語 正答率マップ

図1:都道府県別 小学6年生 国語 正答率マップ

図2:都道府県別 中学3年生 国語 正答率マップ

図2:都道府県別 中学3年生 国語 正答率マップ

図3:都道府県別 小学6年生 算数 正答率マップ

図3:都道府県別 小学6年生 算数 正答率マップ

図4:都道府県別 中学3年生 数学 正答率マップ

図4:都道府県別 中学3年生 数学 正答率マップ

著者紹介

著者近影

平下 治

株式会社ゼンリンマーケティングソリューションズ 顧問。1943年生まれ。
地理情報システム学会GIS 資格認定協会「GIS上級技術者」第1号認定
1979年エリアマーケティング専門コンサルタント会社、株式会社JPSを設立。以来マーケティング分野のGISの開発、データコンテンツの企画・製作、GIS運用コンサルティング業務に41年間従事し、延べ1,000企業以上への提案・実践の実績を持つ。
エリアマーケティング関連著書・専門誌への投稿も多数。
また、セミナーや研修では日本全国各地はもとより米国、中国、香港、セルビアなど海外講演も多数。
ビジネスGISの草分け的存在でわが国の第一人者。

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