DM発送の基本から効果的な活用法まで
今日から始める販促成功の秘訣
最終更新日:2025/07/14
目次
「DM発送」と聞くと、「予算がかかりそう」「開封率が低いのでは?」といった印象を抱く方も多いかもしれません。しかし、デジタル広告が主流になった今だからこそ、紙のダイレクトメールをあえて活用することで、差別化を図り高い効果を得る企業も増えています。特に小売業のマーケティング担当者にとっては、季節ごとのセール情報やキャンペーン告知など、消費者と直接接点を持つ手段としてDMは非常に有力な選択肢です。
本記事では「DM発送」というキーワードを切り口に、DMの基礎知識から、費用・開封率の高め方、成功事例、そして導入時のチェックポイントなどを包括的に解説していきます。最後まで読み進めていただくことで、「DMを送るとどうなるのか」「どんなメリットがあるのか」「実際にどのような手順を踏むのか」がすべてクリアになるはずです。
本記事の主な目的は、以下の3点に集約されます。
- DM発送に関するあらゆる疑問を解消する
- 効果的なDMの作り方・送り方を学ぶ
- DM発送代行サービスの利点を把握し、問い合わせにつなげる
ではさっそく、DM発送の世界を深掘りしていきましょう。
DM発送とは?基礎を押さえて成功へ近づく
ダイレクトメールの定義と特徴
DM(ダイレクトメール)とは、企業や団体が特定のターゲットに直接送付する広告・販促ツールのことです。発送物であるため、受け取った相手が実際に手に取って見る、触れるという高い接触率を持ちます。メール広告やSNS広告のように画面上で表示されるだけでなく、物理的な存在感があるため、記憶に残りやすいという特徴があるのです。
一方で、DMは発送の手間やコストがかかるのも事実です。デザインや印刷、封入、発送などの工程が分かれているため、社内で行おうとすると担当者への負担が増大します。また、個人情報を取り扱う場合はセキュリティ対策が欠かせません。こうした要素を総合的にカバーし、効率よくDMを送る仕組みを提供するのが「DM発送代行サービス」です。
なぜ今、DM発送が注目されているのか
デジタルマーケティング全盛の現在、紙媒体を使うメリットとして“実在感”があげられます。たとえば、小売業のマーケティング担当者が新商品の告知をする際、メールでの案内は受信トレイに埋もれるリスクもあります。しかし、DMであれば、受け取った相手は発送物を手に取り、開封のタイミングを自分の都合でコントロールできるため、一度でも目を通す可能性が高いのです。
また、顧客との関係性が深まっているほど、DMの効果は高まります。「いつもお店に足を運んでくれる方に特別なクーポンを郵送する」「定期的にセール情報を紙のDMで案内する」といった施策は、ロイヤルカスタマーの満足度をさらに向上させ、ブランドのファン化を促進する重要な手段となります。
DM発送に必要な準備と流れ
ここでは、DMを実際に発送するまでの代表的なステップを解説します。自社で完結させる場合もあれば、専門の業者や代行サービスに外注する場合もあります。いずれにせよ、下記の流れを把握しておくことが第一歩です。
1 目的とターゲットの明確化
DMを送る前に、「なぜ送るのか」「誰に送るのか」を明確にします。たとえば、小売業の休眠顧客の復活が目的なら、休眠顧客リストを抽出し、クーポンや新商品の特徴をアピールしたDMを作成する必要があります。
-
目的例
- 休眠顧客復活
店舗周辺地域に住む方へセール情報を案内
- 既存顧客育成
会員限定の割引情報や特別キャンペーンを告知
- ブランド認知拡大
商品カタログを同封して魅力をアピール
- 休眠顧客復活
-
ターゲット設定例
- 地域性
店舗近隣の住民に限定して送付
- 属性
主婦層、ファミリー層、学生など
- 購買履歴
過去に〇〇商品を購入した方にフォローDMを送る
- 地域性
2 デザイン・原稿の制作
ターゲットが決まったら、DMのデザインや原稿を制作します。開封率を上げるためには、表面(封筒やハガキ)のデザインとコピーライティングが重要です。特に、発送物の見た目が受け取り手の第一印象を左右するため、以下の点を意識するとよいでしょう。
- 封筒やハガキのカラーや素材
- キャッチコピー(大きく読みやすく、興味を引くフレーズ)
- 写真やイラストの選び方
- 差出人情報の配置(信頼感を与える)
また、訴求内容が多い場合はパンフレットやチラシを同封するケースもあります。複数の印刷物を同時に送る場合は、同封物のサイズや重さを考慮しないと発送コストが変わるため注意が必要です。
3 印刷・封入
デザインが決まったら、実際の印刷に取りかかります。大量にDMを発送する場合は、印刷コストが大きくなるため、業者を選ぶ際には「1通あたりいくらで印刷できるのか」「どの程度の品質が保証されるのか」を必ず確認しましょう。
- 印刷方式の選択
オフセット印刷かオンデマンド印刷か
- 封入作業
複数点を同封する場合、ミスや漏れを防ぐシステムがあるか
- 宛名印字やラベリング
個人情報を扱うためのセキュリティ体制にも注目
4 発送手段の選定と実施
DMの発送方法は、郵便(定型・定形外・ハガキ)、ゆうメール、メール便、宅配便など多岐にわたります。目的や発送コスト、納期などに合わせて最適な手段を選ぶ必要があります。
- 郵便
全国一律のサービスで信頼度が高い
- ゆうメール
冊子や印刷物などを低コストで送れる
- メール便(民間宅配業者)
比較的安価で封筒サイズも自由度がある
- 宅配便
重量物を確実に届けたいときに利用
発送が完了した後は、不着や宛名不備の確認も重要です。特に転居などが多い年齢層に送る場合は、宛名リストを定期的に更新しないと、戻りDMの数が増えてコストがかさむ可能性があります。
DM発送のメリットと活用場面
デジタルとの差別化
「デジタル広告は便利だしコストも安いのに、わざわざ紙で送る必要はあるのか?」と思う方もいるでしょう。実は、デジタル広告が飽和状態にある現在、紙のDMは“目新しさ”や“手に取って見る”という行為そのものが差別化要素となります。
- ファーストインプレッションの強さ
受け取り手はDMを一度は手にする
- 自宅や職場でじっくり見てもらえる
スマホやPC画面とは違う読み方が可能
- 特別感やプレミアム感を演出できる
ターゲットとの深いコミュニケーション
DMは一方通行のようにも思えますが、受け取り手の反応をハガキの返信やQRコードの読み取りなどで計測できるため、顧客インサイトを把握しやすいメディアでもあります。特に小売業の場合、DMを見て来店したかどうかを会員証やクーポンの利用状況から把握しやすく、効果測定が比較的容易です。
- クーポンコードの活用
専用クーポンをDMに印刷し、利用率を測定
- イベント告知
セールや新店オープンの案内にDMを活用すると集客効果が高い
- ブランドロイヤルティ向上
紙のDMは相手に“特別扱い”されている感を与えやすい
BtoB領域でも活用可能
DMは消費者向けだけでなく、法人向けにも有効です。カタログやセミナー案内を定期的に送付し、興味を持った企業から問い合わせを促すケースは少なくありません。また、事業所住所は移転があれば変更届が必要なため、一般家庭よりも転居が少なく、到達率が高いのも特徴です。
DMの開封率を高めるポイント
DMの効果を最大化するためには、“開封”という最初のハードルをどうクリアするかが肝となります。ここでは開封率を上げるための具体的な施策をいくつか紹介します。
見た目で興味を引く
- 表面デザイン
鮮やかな色合い、アイキャッチ画像、大きめのキャッチコピー
- 透明封筒の活用
中身のビジュアルが見えることで興味喚起につながる
- 特殊な形状
通常の長形封筒ではなく、角形やオリジナルデザイン封筒を使う
ターゲットとの関係性を訴求する
- 宛名のパーソナライズ
「〇〇様」といった一般的な呼びかけではなく、顧客名をフルで印字
- メッセージカード同封
「いつもご利用ありがとうございます」「限定クーポンをお試しください」など、個別対応感を出す
タイミングを見極める
小売業であれば、季節の変わり目や大型連休前がDM送付の好機となります。受け取り手にとってタイムリーな情報(セール、バーゲン、福袋情報など)を届けることで、開封後の行動喚起を狙えます。
DMの費用を抑えるための戦略
DM発送には、「印刷費」「封入費」「発送費」などさまざまなコストがかかります。ここでは、費用をできるだけ抑える具体的な方法を解説します。
発送形態の最適化
以下のように同じ“DM”でも選ぶ発送方法によってコストが変動します。
発送方法 | 特徴 | コスト | 適したケース |
---|---|---|---|
郵便(定形郵便) | 定形サイズに収まれば全国一律料金で扱いやすい | やや高め | 高い信頼感が必要な書類や案内状の送付に最適 |
ゆうメール | チラシや冊子など印刷物限定。重量に応じて料金が決定する | 割安 | 小売業のカタログや会報誌、DMなど |
メール便(宅配) | 民間宅配業者を利用。サイズや重量で料金が変わる | やや割安~中位 | 大きな資料やリーフレットをまとめて送りたい場合 |
宅配便 | 封書より重量物を届ける | 高め | サンプル品や商品を入れる場合 |
- ゆうメールの活用
冊子類やチラシなどの印刷物を最も安価に届けられることが多い
- 地域メール便
イベント会場が特定エリア内の場合など、地域限定でコストをさらに抑えられる
印刷・デザイン費の削減
- まとめて印刷
年数回のDM予定がある場合、封筒のみでも一括して印刷を発注すると単価が下がる可能性
- 版下デザインの使い回し
レイアウトはそのままに、内容部分のみ変更すると費用が安くなる
- 紙質やカラー選択
高級紙やフルカラーにこだわるより、用途に合わせて適切なグレードを選ぶ
DM発送代行を利用するメリット
自社で印刷会社、封入会社、郵便局などそれぞれ手配すると、人件費やリスク管理の手間がかさみます。一方、DM発送代行サービスを利用することで、一括見積もりが可能になり、結果的に費用を抑えられるケースが多く見られます。さらに、大量発送のスケールメリットにより、単価が安くなることもしばしばあります。
DM発送における情報管理とセキュリティ
DM発送では顧客リストなど個人情報を扱うため、セキュリティ対策は避けて通れません。万一、情報漏洩が発生すれば企業の信用問題に直結します。
個人情報を取り扱う際のポイント
- データの暗号化
顧客リストをやり取りする際は暗号化された方法を使う
- アクセス制限
情報にアクセスできる担当者を限定し、ログを管理
- 契約書の確認
外注先との秘密保持契約(NDA)や個人情報保護の条項をしっかり確認
DM発送代行サービスのセキュリティチェック
代行サービスを検討する際には、プライバシーマーク(Pマーク)の取得の有無や、専用システムによるデータ授受の仕組みなどを必ず確認しましょう。セキュリティ体制が整った企業であれば、不着DMの回収やリストメンテナンスなどの処理も安心して任せることができます。
成功事例から学ぶDM発送の工夫
ここでは、実際にDMを活用して効果を出した小売業の事例を紹介します。具体的な例を知ることで、どのようにDMを使えば成果につながるのかイメージしやすくなります。
食品小売チェーンA社の季節イベント告知
-
課題
- 毎年ハロウィンやクリスマスのセール時期に合わせてDMを送るが、開封率がイマイチ
-
施策
- 封筒をハロウィンデザインに変更し、透明窓からキャンペーン商品の写真が少し見える仕掛けを導入
結果- 開封率が前年度比で約1.5倍に上昇
- DMを見た顧客の来店率が大きく上がり、レジ通過人数も増加
アパレルショップB社の顧客リテンション向上
-
課題
- 自社ECサイトもあるが、既存顧客の来店頻度を高めたい
-
施策
- リピーター顧客向けに、誕生月バースデークーポンをDMで送付し、封筒を開けるとメッセージカードが飛び出すような仕組みをデザイン
-
結果
- バースデー月の売上が前年比120%を達成
- DM受け取りをきっかけに、久しぶりに来店したという声が多数
家電量販店C社の在庫処分セール
-
課題
- 在庫処分品が大量にあり、短期間で売り切りたい
-
施策
- チラシ感覚で捨てられるのを防ぐため、封書の表に「〇〇様だけにご案内」と大きく表記。さらに、特典クーポンとセール品リストを同封し、一目でお得感がわかるレイアウトを採用
-
結果
- 在庫処分セールの集客が予想を大幅に上回り、在庫品がほぼ完売
- クーポン利用率も15%以上にのぼった
DM発送を成功に導く業者選びのポイント
DMの効果を最大化するためには、自社内で一括完結できる体制があれば理想です。しかし、現実には専門ノウハウやマンパワーが足りず、外注を選択する企業が大半です。ここでは、DM発送代行サービスを選ぶ際にチェックすべきポイントを整理します。
1 コストと実績
- 料金体系
封入代、印刷代、発送費などの内訳が明確か
- 実績の豊富さ
小売業のDM案件を多く手がけているか
- 大量発送時の値引き
月に数千~数万通のDMを送る企業はボリュームディスカウントを確認
2 納期と柔軟性
- スケジュール管理
専任担当者が進行管理してくれるか
- 突発的な変更対応
デザインやリストの修正に即座に対応できるか
- 短納期対応
急ぎ案件にどこまで応えてくれるのか
3 セキュリティ体制
- Pマーク取得の有無
個人情報保護に対する意識の高さを示す
- データの授受方法
暗号化システムを使用しているか
- 不着DMの管理
リストメンテナンスまで対応してくれるか
4 提案力
- 発送方法の選択肢
郵便、ゆうメール、メール便など幅広く提案できるか
- デザインのサポート
開封率を上げるためのクリエイティブを提案してくれるか
- マーケティング視点
単なる作業代行ではなく、効果向上のためのアイデアがあるか
DM発送に関するよくある疑問
ここからは、実際にDM発送を検討している小売業のマーケティング担当者が抱きがちな疑問をピックアップし、ポイントを整理します。
DMは本当に成果が出るの?
- 正しいターゲット設定と魅力的なオファーがあれば成果が期待できます。DMは物理的に手に取ってもらえる媒体なので、デジタルにはない訴求力があります。特に小売業のように「店舗への来店を促す」場合は、その場でクーポンを利用してもらうなど行動喚起がしやすいのがメリットです。
個人情報の管理が心配
- 代行業者を利用するなら、プライバシーマーク取得や独自のセキュリティシステムを持つ会社を選ぶと安心です。契約前に、データの受け渡し方法や保管体制を確認しましょう。
コストが高くならない?
- 発送方法や印刷方法を適切に選定し、大量発注の割引や不要在庫の削減などを実施すれば、コストを抑えることは十分可能です。DM発送代行サービスでは、作業を一括で任せることでスケールメリットを得やすいケースが多く見られます。
開封率をもっと高めたい
- ターゲットを精査して魅力的なデザインを施すのが第一。特に「封筒を個性的にする」「季節感を意識した素材や形状にする」「宛名に相手の名前をしっかり印字する」といった点が効果的です。
まとめ
DM発送は、「印刷費や郵送費がかさむ」「デジタル広告に比べて手間が大きい」といったイメージもありますが、適切な設計と確実な実行があれば、大きな販促効果を得られるマーケティング施策です。特に、小売業における店舗集客やリピーター育成には視覚・触覚に訴えられるDMが強い武器となります。
- ターゲットと目的をしっかり定める
- 開封率を高める仕組み(デザイン・封筒の工夫、パーソナライズ)を整える
- 費用対効果を考えて発送手段を最適化する
- 不着物の管理やリストメンテナンスを続ける
これらを着実に実行すれば、DMは「紙の広告だからこそ得られる強み」を発揮し、ビジネス成果へと結びつけられます。
当社の「DM発送代行サービス」でトータルサポート
もし、DM発送に関わるすべての工程を一括で依頼したいという場合は、ぜひ当社の「DM発送代行サービス」をご検討ください。
- デザイン・印刷・封入・発送までワンストップ対応
- 専任担当者がリストの受け取りから不着管理までサポート
- セキュリティ体制(Pマーク取得、独自のデータ授受システム)で個人情報をしっかり保護
- 大量発送でもコストを抑えられる仕組み
大切なのは、宣伝したい情報をいかにスムーズにターゲットへ届けるかということです。ぜひ一度、お見積もり依頼やお問い合わせを通じて、具体的なプランや費用感をご相談ください。あなたの会社が抱えるDM発送の不安を解消し、効果的なマーケティングを実現するお手伝いができれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。もしDM発送の導入に迷っているなら、今日からでも一歩踏み出してみませんか?DMの可能性は、まだまだ大きく広がっています。ぜひ一緒にその可能性を探求していきましょう。